MRが本社に異動する際に、いくつか気をつけるべきこと

PhDじゃなくても、英語それほどでもなくても、同じ会社内なら、誰かに引っ張って貰えば本社に行って、MSLなりマーケなりになれます。でもそのままだとその職種での転職は難しいです。かといってMRに戻るのも嫌ということで、閉じ込められてしまいます。

MSLが誕生して久しいです。MRからMSLになる方もよくお見かけします。MR時代になんとかして、本社系の職種にキャリアアップしたいと目論んでいる方もたくさんいます。

MSLやマーケティングなどの職種につくのは、同じ会社内で誰かに引っ張って貰えば良いです。なぜなら、現状がMRで、転職によってMSLやマーケという例はあまりないからです。同じ会社内なら、引っ張って貰えば、MSLやマーケの職種に就くことができるかと思います。

もし、その後、転職したい時に、英語と、MSLならPhDではないとすると、その職種での転職は難しくなります。なぜなら、MSLやマーケは間違いなく、転職では英語が問われますし、尚且つMSLならPhDが望ましいということになります。

じゃあ、英語も勉強して社会人PhDでも目指すか、みたいにやって数年立つと、どんどんMRの人たちが転職でステップアップしていたりして、収入もグンと増えてたりする人も出てきます。MRなら、別に英語もできなくても転職できますので。

  • 取り残されるキャリア
    • MRで色々と頑張って自己啓発などなどをして、同じ社内であれば、公募などで本社勤務は可能かと思います。ただ、その時に英語力やMSLの場合はPhDなどが無くても、本社の人に引っ張ってもらえれば、社内でのキャリアチェンジは可能です。しかしながらマーケやMSLとして、転職をしたいとなった時には英語や、MSLの人はPhDなどが求められたりします。外資の製薬の求人票を見てもらえればわかると思います。そのまま社内異動でキャリアチェンジできたのは良いのですが、3年後、5年後、転職したいと思ったときにできなくて、窮屈になります。
  • MRには戻りたくないからそのまま
    • 一方でMRのままの人は、転職可能です。長年を経て、転職を経て、将来的に一番上というか、事業部長とかの道も絵空事ではありません。部長とかなら、転職によって全然あり得ます。日常茶飯事です。頑張ってMR出身でMSLやマーケに来た人が部長とかまで昇るのは、あまりありません。もちろん、無いことはないのですが、多くはないです。こうして、なんだか自分は本社に行ってキャリアアップしたつもりが、いつの間にかMR時代に同じレベルだった人の方が、職位がどんどん上になっていくのを横目に見ることになりかねません。だからと言って、じゃあ、MRに戻るかというと、きっとそれも嫌なので、そのまま熟知たる思いのままで、仕事をすることになりかもしれません。
  • 簡単ではないTOEIC850
    • 転職したくて英語を勉強しようと思っても、そんな簡単ではありません。求人で求めるところの「英語力」というのは、どちらかといえば、スピーキング力です。ただ、面接でそんなスピーキング力なんか分からないので、過去の経験で、英語でのミーティングや電話などをどれだけしているか?などを問います。まあ、ハッタリでなんとかクリアできるかもしれません。現実的には英語力の指標としてあまり参考にはならないかもしれませんが、やはりTOEICの点数とかはある程度関係あります。なんと無く感覚的に言うと、転職の時に問われる「英語力」と言うのはだいたいTOEIC850です。低くてです。英語力が無いと言う人にとっては、結構な壁です。それでも、例えば、元同僚というか、元同じ会社の上司が、その転職先に居る、なんていう時には、英語力は目を瞑ってくれて、その人に引っ張られれば転職できるかもしれませんけど。
  • 本社での歪んだ人間関係
    • どんな職場でも、嫌な人っています。パーフェクトな職場というのは、残念ながら、あり得ません。営業部門で、嫌な人がいたとしたら、それはかなりなストレスになります。しかしながら、とはいえ、MRは、外に行くことができます。これは結構、大きなことなのでは?と個人的に思っています。自分だけの予定を組むこともできます。自分だけなので、誰にも予定もコントロールできます。知られなくて済むことも、あります。「◯◯先生に会いに行く」といえば、よほどKOLとかでなければ、自分だけの予定として行動できます。嫌な人と、とりあえず、その時は顔を付き合わさなくてもすみます。好きな場所に行くこともできます。このひとりの時間って、結構大きいです。本社の場合は、ずっとチームの人とかが同じ空間に居たりするし、用もないのに出かけるのも変なので、MR出身の人は結構きついです。まあとはいえ、今時はリモートも多くなれば、結構独りになれるのかもしれないです。
  • 通用しない人脈
    • よくMR出身でマーケとかに行った人に多いのですが、過去の人脈で勝負しとうとする人がいます。過去の人脈、マーケではあまり重要ではありません。他のことで勝負した方が良いです。ただ、他のことでは勝ち目がなさそうと悟ったのか、そこを必死に頑張って過去の人脈を強調する人がいます。これはやめた方が良いです。
      「だったら、◯◯大学の◯◯教授に聞けば良いと思いますよ。」と、言いながら、スマホか何かを出して、教授に直接電話をして見たり。自分は教授と携帯で通話できる関係ということをアピールしたいのかもしれません。確かに、「すごいですね」くらいには一瞬思ってくれるかもしれませんが、ぶっちゃけ、誰も興味ありません。MRとして培った人脈は、マイナスではありませんが、それでマーケで勝負することはできないのです。では、他の何で勝負するか?といえば、もちろんマーケターとして勝負する他ないのですが、そもそも、営業とマーケは違うので、結構大変です。
  • 役所に行くのも大変
    • まあ、話前後しますけど、本社勤務というのは、自分の勝手なスケジュールで外に行くというのは、あまりないのです。特に日本企業においては、尚更かと思います。免許の書き換えとか、有給取って行ったりします。今時、リモートだし、だいぶ、そんなこともないかとは思いますが、リモートにしろ、基本的にチームで、毎日行動が誰かに把握されている状況なので、MR出身者にとっては結構きついです。
  • マーケは結構地味
    • そもそも論として、MRから見たら、本社のマーケティングなんて言うと、華やかに映るのかなんなのかわかりませんが、意外と地味です。例えば、英語の文献を読む、なんて言うことを一つとっても、ずっと英語の文献を読み込まなければなりません。それも、自分のために「英語の文献でも読んでみるか!」 というMRのモチベーションとは、全く異なります。それを読まなければならない、それが仕事みたいになってくると、そこから逃げることもできないですし、気まぐれで、読んだり読まなかったりというわけにもいかないので、かなりの苦痛になります。しかも、データをずっと見てそれを分析してなんて言うこともあるので、大変な仕事です。しかも日当もなければ、社宅規定も変わったり、社有車に土日に乗るなんて言うこともなくなります。
  • MSLの上はMD
    • それでも、鬼のように頑張って、血の滲むような努力で、なんとか、仕事も評価されたとします。ところが、例えばMSLの部長とかのクラスは、外資なら多分MDですよね。MDの上に行くと言うことは、あまり考えられません、現実問題。従って、MR出身者のMSLのキャリアは、結構詰まってしまいます。また、マーケにしても、結構海外のMBAだの、コンサルのビッグフォーとかの出身者だの、そんな人が外から来るかと思います。それに引き換え、営業部門に残っている人は、本部長とかにもなったりすることも、全然あります。営業部門のトップがMDなんて、無いですから。こうして、結局南極、営業のままいた事業部長と、本社に引っ張られても、せいぜいシニアマネージャーでどん詰まりみたいになると、そもそも、年収そのものが雲泥の差です。
      それを考えると、MRが本社に引っ張られるって、キャリアとしてどうなんだろうか?と思うことが結構多いです。

ああ、この内容をTwitterで言うと、結構反対意見とかが多そうだけど、ブログなら、安心してかけます。全く個人の感想なので。僕が思ってることを自由に書いているだけです。当たり前ですけど。

色々と、キャリアプランについて悩んでいる方、一度お気軽にご相談くださいませ。

広告

女性は都会に住むべきだと前から思っている

「これで私の青春が少し戻る」

転職に成功した、ある女性がふと漏らした言葉です。この言葉は、何故か忘れられません。妙にリアリティがあり、何故か僕の脳裏に焼き付いています。

新卒で外資製薬MRとなり、新卒でとある県のとある地域に配属になり、転勤なく9年を過ごした方です。

首都圏出身で、大学は文系の、まあ、普通の女性です。MRになったのも、なんとなく良さそうだったから、ということです。

あまり言うと、あれでなので、ぼかしますけど、新卒から9年間勤務した場所は、東京から車で8時間くらいかかるところです。最寄りの地方都市までも車で3時間かかるような、そういう土地です。

要するに、ど田舎です。

プライマリー領域で人数も多く、結構、都市部から離れた都市にも、営業所があったりしました。

首都圏出身の女性が新卒で、そんな土地に配属になりました。その時は22歳ですよね。

もちろん、人それぞれですし、それで楽しめる方もいるかもしれません。ただ、その方は、楽しむことは難しかったようです。9年が経過したのです。

その方の転職理由は、もちろん勤務地です。

勤務地を理由に転職活動する方のよくある状況は、例えばお子さんの関係や、親の関係や、配偶者の関係などなどが挙げられます。

その方は新卒から9年間独身です。

9年間、ど田舎で転勤もなく、22歳から31歳になりました。会社に不満はなかったのですが、もう、いい加減、都会に戻りたい。。。これが転職理由です。

結果的に、某製薬メーカーで勤務地は横浜ということで、転職に成功しました。

すごく喜んでいただきました。

その時に、ボソッと発した言葉が、

「これで私の青春が少し戻る」

でした。

少しと言うのが、闇深です。暗に、「少ししか戻らない」と言うことを示唆しています。それだけ、9年間という歳月は重くのしかかっていたのです。

色々と話を聞くと、合コンとかも無かったとか。よく、開業医の既婚者のおっさんに飲みに誘われたとか。その土地の病院に来た研修医から冷やかしでナンパされて少し付き合ったけどうまくいかなかったとか。などなど、語ってくれました。

もっと早く転職すればよかったとも、言っていました。なかなか踏ん切りがつかなかったのかと思います。

僕の感想は、その新卒で入社した会社が、よくもまあ、新卒女子を縁もゆかりも無いど田舎に辞令出すよな。。。ということでした。

あんまり、男性とか女性とか言うのは、あれかもしれませんけど、普通は、新卒女子をそんな場所に配属させないよな、というのが率直な感想です。

もちろん、全国勤務ということは、肝に銘じているし、前提というのは百も承知して入社しています。

しかしながら、特に女性は、せめて新幹線の停まる駅で、主要都市とかにすべきではないだろうかと、個人的に思ってしまいます。

もちろん、その田舎が自分の出身地などで希望していたというなら話は別ですけど。

まあ、とりあえず、転職に成功しました。

こうして、その方は、横浜で暮らすことになったのです。もう数年前の話です。その後は、実際、楽しく暮らしたと思います。